シャープ高橋社長、「円安進めば生産国移す」 白モノ家電事業を襲うダブルパンチ

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来期に向けても、液晶事業の売上高を大きく伸ばすことは難しい。すでに工場はフル稼働にあるが、増産に向けて大型投資できる健全な財務状況になっていない。現在は液晶事業に占める中小型の比率が7割で、残る3割を大型が占める。さらに中小型比率を増やすとなると、自社のテレビ向け大型液晶パネルの調達に影響が出てきてしまう。

――電機メーカー各社はBtoBシフトを強化している。シャープの方針は。

すでに液晶パネルやLEDなどのデバイスが約40%を占め、複合機などビジネスソリューションが10%超。太陽電池も家庭用を除くメガソーラー向けを含めると、BtoB分野で6割近くとなっている。だからシャープとしては、BtoC比率を一生懸命下げる状況ではない。BtoCは1つ爆発するとすごい金額に変化する一方で、BtoBは絶対にならない。

「改革疲れ」は存在し得ない

――13年6月の就任以来、髙橋社長は社員の意識改革に取り組んで来た。改革疲れという言葉も聞こえてくるが、どう手応えを感じているか。

よく構造改革疲れとか色々言うが、それって私はおかしいと思う。改革をやめるなど、個人の人生でもないでしょう。だから改革疲れという言葉があったとしても、実態は進化しているのだから存在し得ない。今日は正しいと思った文化が、10年後も正しいかどうかはわからない。

――過去1年半を振り返り、シャープはどう変わったか。

定量的に語るのは難しい。日本で働く社員だけで2万4000人、海外含め5万人いる。1つ身近なエピソードを挙げるなら、昨年1月16日に役員の個室を廃止して大部屋制に移行した。それ以降、副社長などから私に対して書面報告などが上がらなくなった。隣の席でしゃべったらそれで終わるから。

――社債市場への復帰時期について。

まだ自己資本比率は10.5%のため、短期間で社債市場へ復帰することは難しい。追加の公募増資など、本当にしんどい話になる。以前も説明したが、着実にフリーキャッシュフローを上げながら財務体質を改善していくことが王道。それ以前の問題として、無配の状況にある。これも時間がかかる可能性があるが、どう脱却していくかが今後の大きなテーマだ。

前田 佳子 東洋経済 記者

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まえだ よしこ / Yoshiko Maeda

会社四季報センター記者

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