マーケット評価でも明暗。急速な変化に商社の経営は対応できるか。
2020年のコロナ禍の中で、商社セクターにとって衝撃的な出来事が2つ生じた。
1つ目は、昨年8月に、著名投資家のウォーレン・バフェット氏が率いる米投資会社バークシャー・ハサウェイが商社大手5社の株式をおのおの約5%ずつ取得したと発表したこと。2つ目は、同年6月に伊藤忠商事と三菱商事の時価総額が初めて逆転したことである。
前者については、バークシャー・ハサウェイは発表で、①長期投資が前提、②いずれかの商社の株式を9.9%まで買い増す可能性、③協業の進展の3点に触れている。現状では③協業の進展について確認できている事象はない。
ただし、過去と比べ金利が低い状態が継続する現状を踏まえると、商社株の配当利回りの高さに着目したキャリートレードやインフレヘッジの観点で、商社株を買い増す可能性は十分あるかもしれない。
21年4月にはバークシャー・ハサウェイが新たに1600億円の円建て社債の発行条件を決定した。この使途として商社株の追加取得に至るのか、また、将来的に協業の進展につながるのか、今後も注視していきたいと考える。
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