大型投資の失敗を反省。食の技術を開拓し、着実な成長を目指す。
ふたを開けると、過去2番目の好決算だった。丸紅の2021年3月期決算は、コロナ禍にもかかわらず純利益2253億円を稼いだ。敵失もあったとはいえ、純利益で業界3位に躍り出た。
ただ、前20年3月期は手痛い目に遭った。石油・ガス開発事業や米国の穀物事業ガビロンなどで約4200億円の一過性損失を計上。過去最大となる1974億円の最終赤字を出した。丸紅の業績は、大型案件の失敗に振り回されてきたという厳しい見方もある。
13年に過去最大の約2700億円を投じて買収したガビロンは、長年中国での販売不振や市況悪化に悩まされ、14年度に480億円、19年度に783億円と減損を繰り返した。寺川彰副社長は「私たちの反省はやはり高く買ったことだ。これに尽きる」と振り返る。
大型投資の失敗が響き、財務基盤を毀損。他商社が成長投資と高額配当に励む一方で、近年の丸紅は財務改善に注力する「守りの経営」をせざるをえなかった。そうしたツケのせいか、丸紅へのマーケットの評価は芳しくない。時価総額では、豊田通商に抜かれて「6番手」が定着しつつある。
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