新領域開拓へ、横浜のオープンラボでベンチャーとの協業を強化する。
既存事業の行き詰まりが見える中、新領域の開拓は待ったなしの課題だ。
発電設備や防衛、宇宙機器といった三菱重工が得意とする技術には、過酷な環境で高精度、高信頼性を確保しながら動かす、ほかにはまねできないものも多い。こうした既存技術を新領域に生かすには、ベンチャー企業など外部の力を取り込み、今までになかった発想を生み出す必要がある。そのためのオープンラボが2020年10月に本格始動した。
羽田空港から車で30分。横浜港の工業地帯にある三菱重工・本牧工場内、かつてガスタービンの部品を作っていた工場跡地を活用した「横浜ハードテックハブ(YHH)」だ。作業スペースをベンチャー企業に貸し出し、新たなイノベーション創出を狙う。
日立製作所が中央研究所内に開設した「協創の森」など類似の施設は他社にもある。だが、特筆すべきは設備の規模だ。高さが10メートル以上ある巨大な建屋は大型の機械設備を搬入可能で、厚さ45センチメートルのコンクリート床は大きな振動にも耐えられる。危険物の取り扱いも可能で、高圧電源やクレーンも用意されている。工業地帯のど真ん中にあるため、騒音を気にせずに24時間利用できることも強みだ。これだけの施設を新設すると数百億円規模の資金が必要になる。担当者は「重工型の技術を『ハードテック』とした。これだけの設備を持つオープンラボはほかにはない」と胸を張る。
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