日立製作所との火力発電の合弁会社を全株取得し、三菱重工が完全子会社化した三菱パワー。脱炭素時代にどう生き残るか。河相健社長に聞いた。
──足元の受注状況は。
ガスタービンの需要は一時落ち込んだが、ここに来て市場は回復傾向にある。2020年後半のガスタービン市場の世界シェアは1位を確保することができた。顧客からは「JAC形」への評価が高い。他社製品よりも性能が上回っていることに加え、高砂工場に実証機を入れて研究をしており、ここで得られた知見が信頼性に大きく貢献している。開発から設計、製造、実証まですべて自社の量産工場で行っており、これは他社にはない、われわれ独自の取り組みだ。
──50年に温室効果ガスの排出を実質ゼロにする方針を日本政府が打ち出すなど、脱炭素の動きが加速しています。
石炭火力発電の新設は激減するだろう。顧客からの要望があれば対応できる程度の能力を残しておく形になる。ただサービス事業へのシフトとガスタービンの伸びで、事業規模をある程度確保できると考えている。高効率のガスタービンを納めることで、低炭素化の実現にも貢献できる。
今後の注目は水素利用をどれだけ広げられるかだ。われわれは18年にLNG(液化天然ガス)に水素を30%混ぜて発電することを可能にした。これは既存のガスタービンの燃焼機だけを取り換えれば大丈夫だ。さらに、25年には100%水素だきのガスタービン開発も終わる予定だ。水素調達などのサプライチェーンができ次第、水素発電は増えるだろう。50年に温室効果ガスの排出実質ゼロを目指す国の方針に従いつつ、20年代は水素発電の混焼設備を拡大したい。例えば、40万キロワットの100%水素燃焼ガスタービンは、電気自動車200万台分の電気に相当する。脱炭素への貢献度は高い。
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