大事な会社を高く売るマル秘テクニックをご紹介しよう。

(freeangle/PIXTA)
「え! 本当にそんな価格で売ってしまったの? おたくだったらもっと高く売れたのに」
関東地方で中小企業を経営していた70代の男性は、久しぶりに連絡を取ったかつての経営者仲間にこんなふうに驚かれた。
この男性には後継者がおらず、話を持ちかけてきたM&A仲介会社に、会社売却による事業承継を依頼。3カ月間をかけて売却したばかりだった。
担当者は親身になって話を聞いてくれたし、難しくてよくわからなかったが、資料も作ってくれた。そして最終契約を結んだ際には「本当にいい会社だったから、こんなに高く売れたんです」と声をかけられ満足していた。
だから、仲間の言葉はにわかには信じられなかった。そんなはずはない──。そう思いたかったが後の祭り。すでに会社を売却した後だったからだ。
税務上の明確な算定基準がある親族内承継とは違い、M&Aによる事業承継の場合、売却価格は売り手と買い手の「交渉」によって決まる。したがって、相場や適正な価格というものは必ずしも存在せず、場合によっては安い価格で買いたたかれてしまうようなケースも少なくない。
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