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広がる個人M&Aの現場 会社に勤務しつつ買収する人も

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個人が企業を買う時代に。目的次第で成否は変わりそうだ。

マッチングサイトの急増を受け、法人のみならず個人によるM&Aも広がっている。ただし、法人ですらM&Aを成功に導くのは難しく、「個人が成功させるのは至難の業」との声も根強い。個人M&Aの現場を探ってみた。

四六時中、仕事のことを考えられるかが重要

学習塾を買収した河原さん。自身も講師として生徒を指導

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「事業承継前と比べ、売り上げが1.5倍に拡大した」。そう語るのが、東京都小金井市で小中高生向けの個別指導塾・プロスアカデミーを運営する河原拓人さん(33)だ。大学卒業後、資産運用会社に勤務したが、実家が自営業だったこともあり、独立を志した。ゼロからの起業も検討したが「本やネットで『個人M&A』という選択肢が注目されており、そのほうが始めやすいと興味を持った」。

マッチングサイトの「トランビ」で売却案件を検索。在庫管理が不要で、人と場所があれば運営でき、かつ収益が出ている事業を絞り込み、学習塾に行き着いた。

教育の経験はなかったが、興味はあった。譲渡を希望していた複数の塾にアプローチし、事業の運営ぶりや場所などから現在の塾を選定。貯金していた500万円以下の金額で事業を承継した。

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