地方の中小企業の生産性向上を目標に、都心の大手企業で働く人材を地方企業に送り込む──。そうした目的で2015年、政府主導で設立されたのが日本人材機構だった。山中進さん(仮名、50代)も日本人材機構に誘われ、地方企業に転職した一人。都心の大手流通企業や外食企業を経て、19年に地方の老舗中堅食品メーカーに転職した。背中を押したのは、「経営の第一線で働き続けたい」という思いだった。
高まる地方転職熱
山中さんが転職して実感したのは、大企業と中小企業とでは仕事の進め方がまったく異なること。「中小企業は仕事の割り振りが属人的で、意思決定の仕組みもあいまい」(山中さん)。今は製造から販売までを統括し、仕事の細かな進め方から店舗のチェーンオペレーションの仕組みまでの再構築に励む。「業務全体を仕切るやりがいは大きい。機会があれば中小企業の経営も担いたい」と語る。
日本人材機構は時限組織で、今夏、人材会社のみらいワークスが業務を引き継いだ。同社の担当者によると「大企業の歯車で終わらず、地方企業で腕を振るいたいと思う都心人材は増えている」という。山中さんのような人材が増えれば、中小企業の後継者不足解消の土壌になるはずだ。






















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