「危機時にこそ、投資を続ける」 リクルートホールディングス 峰岸真澄社長

✎ 1〜 ✎ 48 ✎ 49 ✎ 50 ✎ 最新
拡大
縮小
リクルートホールディングスの峰岸真澄社長兼CEOは「(新型コロナウイルスによる感染拡大は)4度目の危機」と語る(写真:リクルートホールディングス)

特集「アフターコロナの岐路」の他の記事を読む

2020年3月期の売上高が2兆3994億円、純利益は1798億円と、いずれも過去最高を記録したリクルートホールディングス(HD)。
これまでは2012年に買収したアメリカの求人検索大手・インディードなどが牽引してきたが、コロナ禍で求人検索や販促メディア、人材派遣などの主要事業が軒並み打撃を受け、成長路線は足踏みを強いられている。
「自身にとって今回は4度目の危機」と語るリクルートHDの峰岸真澄社長兼CEOに、アフターコロナの経営戦略について聞いた。

危機時に問われる回復力

──コロナ禍で収益環境が急速に悪化しました。

緊急事態宣言下の自粛要請によって消費の動きが止まったことで、4月の売上高は前年同月比2割減に陥った。宣言が解除されたことで、今後業績は持ち直すと想定しているが、回復の角度は見通しづらい。コロナ前の水準に戻るには、それなりに時間がかかると考えている。

短期的には業績にマイナスの影響を受けるが、われわれはつねに長期的な目線で経営に臨んでいる。5月末の決算発表後、海外の機関投資家をまわって言われたのが、こういう危機時にこそ「レジリエンス(回復力)」が問われるということだ。今は外部の衝撃をどれだけ跳ね返せるかが試されている。

──リクルートHDは過去に何度も危機を経験しました。

私自身、過去30年間で4度の危機を経験した。1度目は平成初頭(1990年代)の不動産バブル崩壊。マンション開発業務で背負ったグループ会社の損失を親会社のリクルート(当時)が肩代わりし、1兆4000億円もの有利子負債を抱え、ダイエー(当時)の傘下入りした。

次の危機が、インターネットの台頭だ。それまでは紙の情報誌という参入障壁の高い分野で勝負していたが、インターネットの登場でその参入障壁は一気に下がった。就職情報誌『リクルートブック』の売り上げは10分の1になり、1ページ100万円近い広告料を稼いでいた紙の『じゃらん』も、ネットになると、1予約あたりの手数料収入という、まったく違うビジネスモデルになり、対応に苦労した

次ページデジタルトランスフォーメーションの動き
関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
TSMC、NVIDIAの追い風受ける日本企業と国策ラピダスの行方
TSMC、NVIDIAの追い風受ける日本企業と国策ラピダスの行方
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
アフターコロナの岐路
アフターコロナの岐路
スペシャル・インタビュー
「これを乗り越えれば観光業の“勲章"になる」
星野リゾート 星野佳路代表
「われわれにとって、すべてがいい方向に動いている」
ワークマン 土屋哲雄専務
「自動車用鋼板のチャレンジに終わりはない」
東京製鉄 西本利一社長
「国内線を増やすなら今しかない」
ピーチ・アビエーション 森健明CEO
「ゼネコンの枠にとらわれず、ポートフォリオを変える」
大林組 蓮輪賢治社長
「大箱の超高層都市は終わり、自然との一体型へ変わる」
建築家 隈研吾
「GAFAはパートナー、中小企業のデジタル化を支援していく」
リコー 山下良則社長
「働き方を変えないと、生き残れない」
日立製作所 中畑英信 CHRO
「半導体のモノ売りからコト売りを広げていく」
ソニーセミコンダクタソリューションズ 染宮秀樹 執行役員
「『疑似資本』ローンで企業の再建を促したい」
横浜銀行 大矢恭好頭取
「地銀から『地域価値創造会社』に生まれ変わる」
山口フィナンシャルグループ 吉村猛会長兼CEO
「家を快適にすることにお金を使う人が増える」
LIXILグループ 瀬戸欣哉CEO
「小売業は“黄金の方程式"が通用しなくなる」
日本オムニチャネル協会 鈴木康弘会長
「回転ずしは続く。“空いた場所"を取りに行く」
スシローグローバルホールディングス 水留浩一社長
「国全体の『フレックス化』を考えよう」
工業デザイナー 水戸岡鋭治
「百貨店ならではのデジタル化の道筋がある」
エイチ・ツー・オー リテイリング 荒木直也社長
「ベンチャーは少しの判断の遅れで“死ぬ"時代に」
LayerX 福島良典CEO
「出版界が廃れる前に、合従連衡の心構えを」
紀伊國屋書店 高井昌史会長兼社長
「外食の値上げは許せないという意識を変えてほしい」
クージュー 松田公太 CEO
「コロナ後も対面営業の強みは変わらない」
明治安田生命 根岸秋男社長
「実店舗とオンラインの融合がテーマになる」
羽田未来総合研究所 大西洋社長
「インフラからプラットフォームに領域を広げる」
三菱UFJフィナンシャル・グループ 亀澤宏規社長
「多品種、多国籍が強みになる」
ミネベアミツミ 貝沼由久社長
「音楽は変わらない。楽しみ方は変わる」
ヤマハ 中田卓也社長
「ネット社会と付き合うリテラシーが求められる」
イー・ガーディアン 高谷康久社長
「世界をリードする技術革新力が必要だ」
東京エレクトロン 河合利樹社長
「生き残る配信事業者は3つ。そこに入りたい」
U-NEXT 堤天心社長
「コロナで『第5次産業革命』が起きる」
パソナグループ 南部靖之代表
「車の需要は多様化する。新たな収益源に挑戦していく」
ヤナセ 吉田多孝社長
「移動サービスで街を活性化させる」
Mellow 森口拓也代表
「ゲームはディズニーやネットフリックスより稼げる」
ネクソン オーウェン・マホニー社長
「ゲーム内コミュニテイはさらに広がる」
スクウェア・エニックス・ホールディングス 松田洋祐社長
「オールジャパンでワクチン開発を」
大阪大学 森下竜一教授
「科学に基づいた知見や製品を広めていく」
島津製作所 上田輝久社長
「今こそ宗教の多様性が求められている」
東大寺 狹川普文別当
「社内の“空気"が日本企業のM&Aを止めている」
GCA 渡辺章博社長
「商品数は半減、“演出"はどんどん増やす」
ゴールドウイン 渡辺貴生社長
「100円ショップでも100円にはこだわらない」
ワッツ 平岡史生社長
「在宅勤務で家計の負担は増え続ける」
CDエナジーダイレクト 山東要社長
「買収は積極的に仕掛ける」
カインズ 土屋裕雅会長
「量から質へ、自動車ビジネスは商売のやり方を変える」
旭化成 小堀秀毅社長
「中間管理職より“中間経営職"を目指せ」
経営共創基盤 冨山和彦CEO
「地球温暖化への危機感がいっそう増している」
気候変動イニシアティブ 末吉竹二郎代表
「観戦が主軸のビジネスモデルを変えていく」
新日本プロレス ハロルド・ジョージ・メイ社長
「“小粒"のサプライヤーのままでいたくない」
ジーテクト 高尾直宏社長
「リモートファクトリーの推進役に」
川崎重工業 橋本康彦社長
「ローカル重視のサプライチェーンが広がる」
NTT 澤田純社長
「危機時にこそ、投資を続ける」
リクルートホールディングス 峰岸真澄社長
「カメラに従来と違う魅力が生まれている」
キヤノン 戸倉剛常務執行役員
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
東洋経済オンライン有料会員のご案内