ドルは「勝ち組」、2015年も引き続き上昇へ 2014年は1997年以来のドル上昇率

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(写真:xiangtao / Imasia)

[ニューヨーク 31日 ロイター] - 31日のニューヨーク外為市場では、薄商いのなかドルがユーロとスイスフランに対し2年5カ月ぶりの高値をつけ、対円でもやや上昇した。主要6通貨に対するドル指数<.DXY>の年初からの上昇率は1997年以来最大となり、2014年の取引を堅調な地合いで締めくくった。来年もドル高基調は続くと見られている。

この日の取引でユーロ/ドル<EUR=>は一時1.2098ドルまで下落、節目となる1.21ドルを下回った。ドルは対スイスフランで一時0.9944フランまで上昇。終盤の取引では0.52%高の0.9939フランで推移している。

ドル/円<JPY=>は0.28%高の119.79円。ドル指数は0.33%上昇の90.288。

エバーバンク・ウエルス・マネジメントのシニア市場ストラテジスト、クリス・ガフニー氏は、「ドルは勝ち組に属し、市場参加者はドルのポジションを手放さないまま今年の取引を終えた」と述べた。

米国と日欧の金融政策の方向性の違いもドル高の支援要因となっている。ただ、来年上半期にドル高が一段と進んだ場合、米連邦準備理事会(FRB)が利上げ開始を延期する可能性もあるほか、中国などの新興国の波乱や、ギリシャのユーロ圏離脱問題の再燃など、世界の金融システムにとり懸念となる事態が発生する可能性もある。

コモンウェルス・フォーリン・エクスチェンジ(ワシントン)の主席市場アナリストのオマー・エシナー氏は、ドル高基調は継続するものの「市場のボラティリティーは高まる」との見方を示した。

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