トヨタ自動車とNTTが3月24日に業務資本提携を発表、スマートシティー実現という壮大な目標に向け、「NTTとトヨタが日本を背負うという気概を持ち、多くの仲間を巻き込む」とトヨタの豊田章男社長はぶち上げた。
新型コロナウイルス禍で暗い話題が続く中、前向きなニュースは各所で好意的に受け止められた。
しかし、資本提携の内容を知ったある金融関係者は眉をひそめた。両社が2000億円ずつ相互出資し、株式を持ち合うからだ。
昨今、持ち合いはガバナンス上、望ましくないとされている。経営方針に異を唱えない“物言わぬ株主”の存在は、経営から緊張感を失わせ、企業価値の向上を妨げるからだ。
コーポレートガバナンス・コードも、基本的に持ち合いの縮減を求めており、多くの上場企業が持ち合い解消を進めている。
にもかかわらず、世の中の流れに逆行するように、近年のトヨタは持ち合いを強化している。2017年にはマツダ、19年にはスズキ、SUBARUとの相互出資を発表している。
むろん、それぞれの関係は「出資ありき」ではない。というのも、トヨタが金づる扱いされることを豊田社長は非常に嫌うからだ。「もっといい車づくり」という志に共鳴する「仲間」であることが最優先。ただ、証しとして“血の契り”も重視する、アンビバレンス(相反する感情)がある。
とはいえ、「持ち合いをするのには買収防衛の目的もある」とあるトヨタ幹部は率直に認める。時価総額21兆円のトヨタといえど、巨大なIT大手や政府系ファンドなら買収が可能。トヨタはそれを恐れているのだ。

日本製鉄は売却か
デンソーや豊田自動織機といった直系部品メーカーに東和不動産などを加えた主要グループ会社にはトヨタが各20%以上出資。グループ内の持ち合いも加えると、少なくとも株式の3分の1超はトヨタ関連企業が押さえる。逆にグループ各社がトヨタ株の計約13%を保有、相互に持ち合っている形だ。
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