有料会員限定

劇場型から理詰めに変化、大企業を襲う強欲な手口 2000年代と比べアクティビストたちの投資手法は劇的に進化

✎ 1〜 ✎ 14 ✎ 15 ✎ 16 ✎ 最新
拡大
縮小
(negotiation/pixta)

特集「牙むく株主」の他の記事を読む

昨年6月、米ニューヨーク・マンハッタンのオフィス街に、仕立てのいいスーツを身にまとった日本人たちの姿があった。吉田憲一郎社長をはじめとするソニーの首脳・幹部たちだ。

訪れた先は、大型銘柄を次々とターゲットにするアクティビスト、サード・ポイントの事務所。「ソニーの株を15億ドル(約1600億円)分取得した。ついては、経営に関してのご提案を説明したい」との通告に対し、わざわざニューヨークまで出向いたのだ。

出迎えたのは、サード・ポイントを率いるダニエル・ローブ氏。「A Stronger Sony」と書かれた102ページにもわたる資料、通称「ホワイトペーパー」を広げ、分析結果を説明したうえで、「半導体事業を切り離し、“ソニーテクノロジーズ”として上場させるべきだ」と訴えた。

提案は、それだけにとどまらなかった。エンターテインメント事業に注力すべきだとして、金融子会社のソニーフィナンシャルホールディングスや、関連会社である医療情報サービスのエムスリー、そしてオリンパスや音楽配信のスポティファイ・テクノロジーといった保有株の売却も求めた。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
牙むく株主
インタビュー/国際基督教大学 特別招聘教授、東京大学 名誉教授 岩井克人
アクティビストファンドだけではない
アクティビスト封じ? 改正外為法の同床異夢
官邸・経産省がリード、尻拭いは財務省
「買収防衛の目的もある」と幹部
乾汽船 vs. アルファレオ
インタビュー/一橋大学CFO教育研究センター長 伊藤邦雄
勃興する新たな“株主"、迫り来るESGの波
第3章 会社は誰のものなのか?
個人投資家にもチャンス到来?
新型コロナで割安さ増す
狙われた会社のその後 2
ハゲタカか、それとも救世主か
経産省の先輩と後輩が激論
第2章 アクティビスト対処法
狙われた会社のその後、圧力テコに経営改善を断行
2000年代と比べアクティビストたちの投資手法は劇的に進化
物言う株主の栄枯盛衰、政策の後押し受け大復活
投資環境の整備でアクティビストが力を取り戻した
第1章 日本企業を狙う物言う株主
牙むく株主 あの投資家は敵か味方か
爛熟した株主至上主義の行方
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内