短期利益だけでなく、環境への責任を問う新たな“株主”が存在感を増している。
「私たち(若い世代)を裏切るならば、あなたたちを絶対に許さない」
17歳の活動家グレタ・トゥーンベリ氏は国連の温暖化サミットでそう演説し、環境問題の重大性を訴えた。彼女の声が、経済を最優先してきた企業経営者や投資家の行動変化を後押ししている。
これまで投資家が企業に求めてきたのは株価の上昇と配当などの株主還元だ。そのため経営者には利益の追求が第一に求められてきた。ところが、少なくとも短期的には利益に寄与しない要素も重視する投資家が増えている。
彼らが行うのは環境(E)、社会(S)、ガバナンス(G)を重視したESG投資である。中でもE、とくに二酸化炭素(CO2)の排出抑制への関心が高い。
海外では環境団体が投資の力で資源会社などに行動変化を迫る動きが活発化。さらに、ここに来て目立つのが金融機関への株主提案だ。
中には提案が可決された例もある。南アフリカのスタンダード銀行に対する現地のNPOなどによる株主提案では、石炭火力発電等への貸し出し方針を作成し開示するという案が55%の賛同を得て可決された。
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