スイーツ業界が「いちご」に熱狂する理由 100年に一度のビジネスチャンス到来だ
飲食店のもう一つのアピールパターンが、マリアージュ型。これは産地を特定しないものの、「おいしい」というキーワードは外さず、プラスアルファで稀少価値まで高める手法である。
例えば、「Neues(ノイエス)」。三越の「カフェ・ウィーン」などを経て、ウィーンや南ドイツで研鑽を積み、1999年に横浜市青葉区にて創業したドイツパン&ウィーン菓子の専門店(現在は赤坂7丁目のドイツ文化会館内に移転)だ。ノイエス恵比寿三越店では、1月2日~20日まで「苺のシュトゥルーデル Erdbeerstrudel」を販売する。
シュトゥルーデルは、ウィーンの定番菓子で、極薄のクレープのような生地で、リンゴなどをクリームとと共に包み焼きにしたもの。外がカリカリ、中がジューシーなのが特徴で、今回はそれとフレッシュないちごがマリアージュした。
ノイエスが出店する恵比寿三越自体も「いちごイヤー」に合わせて1月7日から「ウィンターグルメフェア~いちご特集」を開催する。
いちご生産者もアピールに動く
生産者側も「いちごイヤー」を追い風にし、様々な企画に打って出る。いちごの生産量が島根県でトップの安来市(やすぎし)では2014年に安来のいちごをPRするため地元官民の女性組織「いちご女子会」が発足。2014年12月15日~2015年5月31日まで、安来市観光交流プラザと道の駅あらエッサ なかうみ菜彩館で「やすぎ苺一縁フェア」を開催中だ。
特に1月15日は語呂で「いいいちごデー」と銘打ち、『苺一縁』紙袋をお披露目として、やすぎの生いちご&いちごスィーツがたっぷり詰まった福袋を限定販売する(以降、毎月15日に販売)。そのほかにも安来市各地でいちごにちなんだ催しが、目白押しだ。
ここで、気になる点がある。そもそも100年に一度の「いちごイヤー」とはいえ、今年だけ収穫量を増加させることは可能なのであろうか?
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