有料会員限定

病床を埋めるのが最優先、量産されるムダな入院 Part2 病院の裏側|糖尿病や白内障の入院は必要か

✎ 1〜 ✎ 10 ✎ 11 ✎ 12 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小
イラスト:浜畠かのう

特集「クスリ・医療」の他の記事を読む

「看護師の仕事が軽んじられている。病院がホテル代わりに使われる状態が当たり前になって、医療の仕事になっていない」。関西の病院に勤務する40代の看護師はため息をつく。

そうした問題が起きているのは、レスパイト入院(レスパイトとは一時的な休息の意味)と呼ばれる介護家族支援のための短期入院が、本来の趣旨とは違った形で使われているからだ。家族の負担軽減のための入院が、高齢者の「第二の家」として使われている。単なるホテルであるかのように──。

病院側は収入につながるため、むしろ大歓迎だ。「自費の差額ベッド代がかかる個室を使ってくれる人もおり、儲けになる」と先の看護師。しかも、こうした入院患者は、医療的な対応はほとんど必要ない。医師が「気管支炎」や「脱水」など、当たり障りのない軽症の病名を付けておけばよいのだ。患者側も慣れたもので、看護師に対しホテルの従業員であるかのように接してくる。看護師にとっては、よく言えば「手間がかからない」、悪く言えば「誇りを持てない」仕事が押し付けられる。

関連記事
トピックボードAD