「看護師の仕事が軽んじられている。病院がホテル代わりに使われる状態が当たり前になって、医療の仕事になっていない」。関西の病院に勤務する40代の看護師はため息をつく。
そうした問題が起きているのは、レスパイト入院(レスパイトとは一時的な休息の意味)と呼ばれる介護家族支援のための短期入院が、本来の趣旨とは違った形で使われているからだ。家族の負担軽減のための入院が、高齢者の「第二の家」として使われている。単なるホテルであるかのように──。
病院側は収入につながるため、むしろ大歓迎だ。「自費の差額ベッド代がかかる個室を使ってくれる人もおり、儲けになる」と先の看護師。しかも、こうした入院患者は、医療的な対応はほとんど必要ない。医師が「気管支炎」や「脱水」など、当たり障りのない軽症の病名を付けておけばよいのだ。患者側も慣れたもので、看護師に対しホテルの従業員であるかのように接してくる。看護師にとっては、よく言えば「手間がかからない」、悪く言えば「誇りを持てない」仕事が押し付けられる。
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