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医師偏在の解消は道半ば、地域枠が嫌われる理由 深刻化する担い手不足

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東北医療復興を掲げる新設の東北医科薬科大学で1期生の臨床実習が始まった(2019年10月)(提供:河北新報社)

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地方の医師不足解消のために導入された、医学部入試の「地域枠」制度。2008年度に本格運用を開始したが、その仕組みをめぐる問題が表面化している。

19年7月、厚生労働省で行われた医道審議会では、同年度から臨床研修に入った新卒医師879人のうち、9人が指定された都道府県内で勤務することを義務づけられたにもかかわらず、県外の病院に採用されていたことが報告された。採用した東京医科大学など5病院に対してヒアリングのうえ、補助金減額の方針が決まった。

地域枠とは、卒業後の一定期間決められた地域で勤務することを条件に、一般枠とは別で募集される医学部の入試制度だ。僻地などの地域医療を担う医師を育成するため、臨時的な増員措置として実施されている。大学と提携した都道府県からの奨学金貸与がセットになっていることが多く、地域医療への従事で返還が免除される。

地域枠が設置された背景には、制度改革が引き起こした地域医療を担う医師の不足と偏在の深刻化がある。04年に「臨床研修医制度」が始まり、医師が希望する研修先病院を選択できるようになると、地域の関連病院に医師を派遣する人事権を持っていた大学病院の医局の影響力は衰退。地域や病院間の医師数に格差が生まれている。

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