日本の精神医療の草分け的存在である、東京都立松沢病院が身体拘束や非自発的入院を最小化するなどの改革を進めている。その狙いを齋藤正彦院長に聞いた。
──院長就任時には2割弱あった患者の身体拘束率が、今は約3%まで減りました。
前に院長をしていた病院は、松沢に比べ医師は半分、看護師も少なかったが、拘束はゼロだった。ならば松沢にできないわけはない。ただ、自分は方針を示しただけで、看護師たちの取り組みがすべてだ。
──身体拘束を1日に130人以上に実施していた現場からの反発は強かったのでは。
看護師には患者の安全を守るためには身体拘束が必要という、長年すり込まれた固定観念があった。だから当初は無理に決まっていると思ったようだが、本音では拘束などしたくないというスタッフが大半だったのだろう。転倒など何か事故が起きたとしても、その責任は現場ではなく、院長ら管理者が負うとはっきりさせたことで現場も躊躇なく取り組み、一気に進んだ。
──家族の理解は?
入院時に拘束をしないこととそのリスクをしっかり説明したうえ、情報開示も徹底するようになった。家族との面会も病棟内で行えるし、拘束率や転倒率などのデータはHP上ですべて公開している。
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