受信料収入が5年連続で過去最高を更新し、ネット常時同時配信への進出を見込むなど、肥大化が進む。一方でガバナンスに問題を抱えており、公共放送としての存在意義が問われている。
「既存業務全体の見直しを徹底的に進め、受信料額の適正な水準を含めた受信料のあり方について、引き続き検討を行うことが必要」
11月8日、高市早苗・総務相は閣議後の記者会見でそう語った。NHKが提出したテレビ番組をインターネットで常時同時配信するための実施基準案について、監督官庁の総務省はこの日、再検討を要請。並行して3つの分野について改革を進めるべきだと強調した。
その1つが冒頭の発言にある受信料だ。総務省は「国民・視聴者にとって納得感のあるものとしていく必要があり、受信料の公平負担を徹底するほか、業務の合理化・効率化を進め、その利益を国民・視聴者に適切に還元していくといった取り組みが強く求められる」としている。
受信料収入は過去最高
「NHKの業務全体を肥大化させない」と高市氏は言う。総務省のトップがクギを刺さなければならないほど、NHKの規模は拡大している。受信料収入は5年連続で過去最高を更新し、2018年度は初めて7000億円を超えた(下図表1)。過去の利益の蓄積である剰余金(繰越剰余金と20年着工の渋谷・放送センター建て替えに向けた建設積立金の合計)は、2909億円に上っている(下図表2)。
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