「4Kの次」に向けた開発を進めるが、普及には課題も。
テレビ受像機市場は完全に「4K時代」を迎えている。電子情報技術産業協会(JEITA)によると、2018年の国内テレビ出荷台数は前年比4.2%増の451万台と4年ぶりに増加した。それを牽引したのが4Kテレビだ。
4Kテレビの出荷台数は前年比28.3%増の198万台で、テレビ全体の44.1%を占める(前年は35.0%)。今年3月には月間台数ベースで49.5%、金額ベースでは72.6%に達した。
消費者にとって4Kテレビはもはや特別な製品ではなくなっている。地上デジタル放送が始まった03年当時、将来の4Kテレビの市場性に疑問符をつける業界関係者が少なくなかった。そのことを考えれば、隔世の感がある。
さらに映像制作の現場はすでに8Kへと動き始めている。20年に開催される東京オリンピックに向けてアクセルを踏み込んでいるNHKは、世界からも注目される存在だ。
今年10月に仏カンヌで開催された、放送業界関係者が集まるテレビ番組の見本市MIPCOM。NHKは8K/HDR(ハイダイナミックレンジ。明るさの幅をより広く表現できる技術)の映像を楽しんでもらうため、8Kプロジェクションと22.2チャンネルのサラウンドオーディオのシステムを現地に空輸した。そこで8Kで制作されたドラマ「浮世の画家」を上映するとともに、主演の渡辺謙氏をレッドカーペットや会見に登場させて、プロモーションを図った。
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