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「独立性」は守られているか、問われる受信料制度の意義 歪められてしまった放送法の解釈

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戦前の反省から生まれたという事実をきちんと振り返っておく必要がある。

1953年2月にNHKが、8月には日本テレビ放送網がテレビ放送を開始した(毎日新聞社 / アフロ )

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放送法64条は、テレビ受像器の設置者とNHKとの受信契約締結を義務づけている。なぜそんな決まりができたのか。

日本でテレビ放送が始まったのは終戦から8年後の1953年。それ以前はラジオ放送しかなかった。しかも民間のラジオ放送局が誕生したのは51年。テレビ放送開始の2年前だ。それまでは、放送局といえばNHKのことだった。

国民を欺いた過去

戦前の大日本帝国政府は、民間放送局の設置を認めない一方、NHKを政府のプロパガンダ機関と位置づける形で、厳しい言論統制を図っていた。NHKのルーツといえるラジオ放送局が、東京、名古屋、大阪の3カ所に設けられたのは24〜25年。いずれも当時の逓信省の方針によって社団法人として設立された。翌26年に3社は統合。ラジオの全国放送の運営会社として、社団法人日本放送協会が発足している。受信者が料金を支払うシステムは、その頃にスタートした。

当時の事情は、12人の放送法の専門家が共同執筆した『放送法を読みとく』(商事法務)に詳しく記されているので、そちらも参考にしてほしい。

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