EC・決済 覇権バトル 300兆円家計消費をめぐる頂上決戦

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ヤフーによるZOZO買収は序章にすぎない。盛り上がるEC市場、高騰する配送料金、国策によるキャッシュレス・消費者還元事業──小売市場で起きている構造変化を追った。

本誌:長瀧菜摘、二階堂遼馬、梅咲恵司

週刊東洋経済 2019年11/9号
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またしても「100億円キャンペーン」だ。

Zホールディングス傘下のヤフーは10月28日、ソフトバンクと共同で運営するスマートフォン決済サービス「PayPay(ペイペイ)」の名を冠した新しいEC(電子商取引)「ペイペイモール」で、総額100億円相当のポイントをユーザーに付与すると発表した(実施期間は2019年11月1日から20年1月31日まで)。

「100億円」を前面に出したのは、昨年12月と今年2月に続き3回目だ。最初の2回は、リアル店舗でペイペイを使って支払った金額に対し最大20%がユーザーに還元されるという内容だった。今回は決済する場面がリアルからネットに置き換わる。

EC市場の競争は激しさを増している。火をつけたのはヤフーによるZOZO(以下ゾゾ)の買収だ。ヤフーは過去最大となる約4000億円を投じ、苦手だったファッション分野の取り込みを狙う(買収完了は11月13日の予定)。

必死の攻勢かけるヤフー

長らくアマゾン、楽天の後塵を拝してきたヤフーにとって、ゾゾの買収とペイペイ関連のECサービス投入は乾坤一擲(けんこんいってき)の大勝負だ。ペイペイ関連ではフリマアプリ「ペイペイフリマ」でも購入金額の最大20%相当を還元するキャンペーンを行い、首位メルカリに追いすがろうとしている。

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