Zホールディングス(ZHD)傘下のヤフーがEC事業で師と仰ぐのが、中国アリババグループ(以下アリババ)だ。ヤフーの筆頭株主がソフトバンクグループ(以下SBG、45.52%保有)なのと同様、アリババの筆頭株主もSBG(26%保有)である。ヤフーにとって兄弟会社のアリババは、学ぶべき格好の教材となっている。
アリババの存在感を物語るのは、膨大な流通総額だ。個人が主体のECサイト「淘宝(タオバオ)網」と法人限定のECモール「天猫(ティエンマオ)(Tモール)」を合わせた2018年度の流通総額は4兆8200億人民元(72.3兆円)に上り、楽天の国内EC流通総額の21倍強に当たる。直近決算におけるタオバオとTモールの流通総額比率は55対45だが、全体の伸びはTモールが牽引している。
Tモールでは17年から、単にECのプラットフォームを運営するだけではなく、出店企業に対する商品開発の支援にも乗り出している。Tモールにおけるユーザーの購買データを独自のアルゴリズムを用いて分析する専門部署をつくり、出店する小売企業やメーカーに提供。19年3月には資生堂がその専門部署と戦略的提携を結んでいる。
中国の消費動向に詳しい野村総合研究所の郷裕氏は「中国ではEC消費のボリュームゾーンが、30代後半〜40代から20〜30代のデジタル世代へと移ってきている。商品開発の支援は、マスである地方の若年層を狙うために必要な戦略だ」と指摘する。
データを使い商品開発
一連の取り組みについて実験場となるのが、毎年開催する「独身の日」と呼ぶ巨大セールだ。18年の独身の日は1日で約3.2兆円の流通総額を計上した。Tモールを統轄するプレジデントの蒋凡(ジィアンファン)氏は、10月21日のキックオフイベントで「購買データを出店企業の商品開発に活用してもらい、開発された新商品をTモールに投入してもらう好循環をつくりたい」と語った。
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