天皇と日本史 いま知っておきたい

✎ 1〜 ✎ 17 ✎ 18 ✎ 19 ✎ 20
拡大
縮小

天皇は日本史の中で重要な役割を果たしてきた。歴史上の天皇の事績を振り返りつつ、現代の天皇・皇室のあり方も考える。

本誌:長谷川 隆、福田恵介、印南志帆

週刊東洋経済 2019年9/14号
書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

特集「天皇と日本史」の他の記事を読む

10月22日、天皇陛下の即位式典が行われる。新天皇である徳仁天皇の「即位礼正殿の儀」には、195カ国の元首や駐日大使のほか内外の要人約2500人が参列する。一連の式典は平成の代替わりの儀式をほぼ踏襲する。パレードである「祝賀御列の儀」は午後3時半から、皇居・宮殿を出発してお住まいの赤坂御所(東京都港区)までをオープンカーで走行する。夜には、即位を祝う祝宴「饗宴の儀」が開かれる。

世論調査によると、「皇室に親しみを感じる」と答える国民は約8割。これは戦後最高の数字だ。日本国憲法による「象徴天皇」としてのあるべき姿を、現在の上皇は上皇后とともに追求されてきた。

被災者や社会的弱者の元に積極的に足を運ばれるお姿は国民の深い共感を呼んだ。跡を継ぐ徳仁天皇は象徴天皇をさらに発展させ、新しい天皇像をお示しになるだろう。

現代と歴史上の天皇

日本史を振り返ると、天皇は、政治の表舞台での主役として、また政治的な実権を失ったときは名目上の権力者として、この国に関わってきた。明治憲法の下では統治権を総攬(そうらん)する君主として、そして日本国憲法の下では、国と国民統合の象徴として、歴史の節目でその地位は変化してきた。また最新の歴史学では、歴史上の天皇についての理解も変わってきている。

新たな天皇を迎えたいま、“天皇から見た日本史”の最新の研究成果をみつつ、国のあり方についても考えてみよう。

週刊東洋経済編集部
関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
天皇と日本史
古代、中世から宗教、天皇論まで
英国王室と国民の関係
日本、英国、タイ、スペイン…
迷宮の女帝論議
小林よしのり「伝統と因習を履き違えるな」
「男系を異様に重視するのは、一種のカルトに近い」
戦地慰霊、企業視察で「平成流」を実践
皇室のお金と使い道
天皇・皇后両陛下の結婚秘話
第2章 平成・令和の天皇像|公務の幅を広げようとする令和の時代の天皇像
立命館アジア太平洋大学(APU) 学長・出口治明の私の天皇論
鎌倉時代に消えた天皇の守護者
天皇も実物は見たことがない
昭和天皇の「終戦構想」
最高司令官としての昭和天皇
明治天皇は大帝に変貌した
天皇の復権を図った光格天皇
後醍醐天皇|文化の庇護者の役割
院政の創始者、白河天皇
国の基礎をつくった天皇夫婦
第1章 日本史における天皇|律令国家の創始者 天武・持統天皇
天皇と日本史
いま知っておきたい
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内