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「高齢期を3つの時期に分けてリスクを意識した運用を」 インタビュー|経済評論家 山崎 元

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やまざき・はじめ●1958年生まれ。東京大学経済学部卒業。楽天証券経済研究所客員研究員。マイベンチマーク代表。資産運用や経済一般などの分野で活躍。(撮影:今井康一)

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50歳からの資産運用はどうあるべきか。日頃より金融機関ではなく個人の視点から、正しい資産運用のあり方を説いている山崎元氏に話を聞いた。

──50歳からの資産運用で気をつけるべきことは何でしょうか?

歳を経るにつれて自身が身を置く環境は変わっていくので、時期を分けて考えることが重要だ。それは「高齢準備期」「高齢前期」「高齢後期」の3期となる。

50歳くらいから定年などで仕事をリタイアする60〜65歳までが高齢準備期。この期間に計画的な貯蓄と運用を始めておく。また、長く働くための準備をする時期にもなる。「自分は経理の仕事をやってきたので、60歳で定年になったら税理士の資格を取って独立し、70〜75歳ぐらいまで働こう」といったことを考えて、準備にかかっておく。理想的には45歳から考え始めておくべきだ。

60〜65歳から後の高齢期は前期と後期の2つに分けられる。その違いは、「お金の運用や管理について自分で判断できるかどうか」だ。前期だと自分で判断できる。後期に入ると、自分自身のコントロールすら認知症などで難しくなる。そのときにお金のことをどうするか。後期の最重要課題は、自分の意思を酌んで金融取引の判断をしてくれる「信頼できる人」を確保することだ。高齢前期のうちに将来の任意後見人を決めておくことも考えておくべきだろう。

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