分散投資や長寿リスクへの備えを訴える保険商品の数々。だがコストを考えたらどれも資産形成に向いているとは言いがたい。
前記事で外貨建て保険の問題点を解説したが、資産運用に向かない保険商品はほかにもある。1つずつ見ていこう。
終身保険
顧客に不利な仕組み内包、手数料高く運用に不向き
一生涯の死亡保障がある「終身保険」は、遺産分割や納税資金準備など、相続対策に有効だ。しかし、運用目的での利用は考えにくい。運用に回るお金が少ないからだ。
終身保険は、今日・明日の万が一に備える「保障」部分と、将来の保険金支払いに備え、保険料の相当額を蓄えておく「積み立て」部分で構成されている。
保険料払込期間中の解約返戻率を通常の契約の70%程度に抑えることで保険料を下げ、払い込み満了後の返戻率を高めている「低解約返戻型」が、低金利下では勧められやすい。
だが「保険料を払い終わると返戻率が100%を超え、長期的には預金よりお金が増える」といった評価は間違いだ。ある保険数理の専門家は「元本割れ期間がない預金との比較はダメ。代理店手数料などは運用に回らないから、手数料の分、顧客に不利な仕組み」という。
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