「本業の儲けである業務純益が大幅な減益となり、非常に厳しい」。三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)の平野信行社長は2018年度上期の決算について、険しい表情でそう語った。
銀行の本業は預金と貸し出しとの利回りの差(利ザヤ)で稼ぐ預貸業務が中心。この利ザヤの縮小が止まらない。
国内では高齢化や人口減少が進行。潜在成長率も低下し、借り手は減少傾向が続く。銀行同士の競争は激しさを増し、貸出利回りは急激に下がってきた。
そこに拍車をかけるのが日本銀行の金融政策である。超低金利に加え、マイナス金利政策の導入により、各銀行の国債運用の収益性が低下。従来よりも貸し出しや投資に資金を回さざるをえなくなった。
18年7月時点の金融機関のバランスシートを見ると、金融緩和前の12年末と比較して国債運用が減少し、貸し出しが増加。一方、現金・預け金が積み上がり、運用難に陥っていることが確認できる。
こうした環境は、すぐに改善できるものではない。銀行各社は、「大企業向けの貸出利回りは下げ止まった」と口をそろえるが、「中小企業向けや住宅ローンは引き続き厳しい」という。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら