ポスト平成に向け、新幹線の新線建設が全国各地で進んでいる。
北海道新幹線は新函館北斗─札幌間が2031年春に開業予定だ。5時間を超えるともいわれる東京─札幌間の所要時間短縮に向け、JR東日本は時速360キロメートルで走行する新型車両を開発中。完成すれば旅客数世界一を誇る羽田─新千歳間の空路からの利用者シフトが多少は見込める。30年の冬季五輪開催地が札幌に決まれば、開業が前倒しとなる可能性もある。
北陸新幹線は23年春に金沢─敦賀間が開業予定。その先には新大阪まで延伸の計画がある。スケジュール上は、北海道新幹線の札幌延伸完了後に本格工事に入る予定だが、関西財界は「もっと早く」と、中央に要請している。むろん、早期工事着手には財源確保が不可欠だ。
22年度中には九州新幹線西九州ルート・武雄温泉─長崎間が開業する。当初は新幹線と在来線の両方を走れるフリーゲージトレインを開発して在来線区間も乗り換えなしに運行する前提で、新大阪から長崎まで一本で結ぶ構想もあった。が、技術的なメドが立たずに構想は頓挫。新幹線と在来線を乗り継ぐ移動となり、大幅な旅客需要増は見込めない。長崎県は在来線区間の新幹線化に期待するが、ここにも財源の壁が立ちはだかる。
東京─名古屋間ではリニア中央新幹線が27年の開業に向け工事進行中。その後は新大阪までの延伸が控える。完成すれば東京・名古屋・大阪がより短時間で結ばれることになるが、南アルプスなどでの難工事はこれから。今後も予断を許さない。
これらの計画が終わっても、新線建設は打ち止めではない。山形新幹線、秋田新幹線は「新幹線」と名乗りながら、実際は在来線。そこで、山形、秋田両県は「奥羽新幹線」「羽越新幹線」という本物の新幹線の実現を要望している。新幹線がない四国も官民挙げて新幹線の誘致に声を上げる。日本海側を走る「山陰新幹線」という構想もある。高度成長期のように新幹線が高い経済効果をもたらす時代はとうに終わっている。巨額の建設費をどうやって容認してもらうかが、構想実現のカギとなる。
地方の赤字路線 存廃論議が本格化
19年の在来線に目を向けると、JRおおさか東線・放出─新大阪間が3月に開業する。また、東日本大震災の影響で不通が続いていたJR山田線・宮古─釜石間が復旧し、岩手県などが出資する第三セクターの三陸鉄道に譲渡される。盛(さかり)から久慈までようやくレールでつながるとあって地元の喜びはひとしおだ。しかし、三鉄への譲渡とは、JR東日本が赤字区間を切り離すことを意味する。
JR北海道も3月末で石勝線・新夕張─夕張間を廃止。ほかにも根室線・富良野─新得間など複数区間で鉄道からバスへの転換を打ち出す。九州でも17年の九州北部豪雨で被災した日田彦山線の復旧をめぐり、JR九州と地元自治体の間で議論が紛糾している。今後も自然災害が赤字ローカル線の存廃論議に発展するという流れは続きそうだ。






















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