親の過干渉が、子どもをSNSに走らせる? 「SNSが子どもを変えた」という幻想

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――大人のほうが若者より、スマホ中毒ということでしょうか。

そういう見方もできるかもしれません。私がこれまで会ってきた親たちは、子どもが携帯電話に熱中していると嘆いていましたが、ナッシュヴィルのフットボール場で見た高校生は、自分たちの電話をただ単に進化したカメラ、そして友達と会うための道具としてしか、扱っていませんでした。彼らにとっていちばん大事なことは、友達が一緒にいることだったのです。

本当は、米国の10代は友達と直接会ってぶらぶら過ごしたいのです。そのほうがずっといいのですが、なかなか難しい。10代は毎日忙しすぎますし、移動の自由もないため、友達と直接交流を持つのが、どんどん不可能になっているのです。

――日本の高校生も忙しいですしスマホをたくさん使っていますが、移動の自由は米国よりありそうです。

米国の実状を知ったら、日本人はびっくりしますよ。アイオワ州に住む、15歳の白人少女、マイラにインタビューを行ったときのことです。彼女はミドルクラスですが、とにかく「時間がない」と言っていました。

習い事をたくさんしていて、チェコ語に陸上競技、オーケストラや託児所でのアルバイトなど、スケジュールの98%を母親が手配しているそうです。本人はこれら全部をやりたくはないのですが、母親がやらせたがるから、あきらめて言うことを聞いていました。

似たような話を、裕福な家族が暮らす郊外でも、小さな町でも聞きました。親たちは子どもが犯罪に巻き込まれるのではないかなどと心配するあまり、子どもを自由にぶらぶらさせておきません。また10代は車がなくてはどこにも行けないため、運転免許を取れるまで、親に頼らなくては移動できません。子どもが関連する犯罪の統計と親の心配の度合いには相関はなく、メディアがそうした事件をセンセーショナルに取り上げることが、親の不安をかき立てていると言ったほうがいいでしょう。

こんなデータがあります。米国では、1969年は幼稚園児から8年生(日本の中学2年生)までの子どもたちの48%が徒歩か自転車で学校へ通っていました。それに対し、家族の運転する車で送り迎えされている子どもは12%。2009年には、この数字は逆転しています。13%が徒歩か自転車、45%が車で送迎されています。約4割がスクールバスを利用していることは、この40年間変化がありません。

――日本にも子どもの安全を心配する親はたくさんいますが、米国のほうが極端な気がします。私はたまに6歳の子どもを、近所のスーパーに買い物に行かせますし……。

 あなたが、6歳のお子さんをスーパーに買い物に行かせることは、米国では異端であるだけでなく違法です。多くの日本の家族は、米国では16歳になった子どもでさえ、ひとりで店に買い物に行かせてもらえないことに、とても驚くでしょう。

私の大学院の指導教官が日本人で、彼女の子どもたちは日本と米国で育っています。そのため、私もふたつの国の文化の違いを目にする機会がありました。

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