この、一人ひとりに合わせた内容を提供するというのが、マーケティングの最重要テーマのひとつである「パーソナライゼーション」です。どんなビジネスも、マーケティングにおいては「誰に」「何を」届けるかということを追求しています。適切なターゲットを選定し、その人たちに響く訴求メッセージを届けなければ、結果を出すことはできません。
Facebookの「誰に」は高精度
従来、「誰に」は、性別やおおまかな年齢層、居住地などによるターゲティングが主でした。あとは専門誌や場所の趣味性などを活かしたりといったものです。それに対し、実名制サービスであるFacebookでは、利用者が登録している様々なデータに基づく詳細なターゲティングが可能なので、たとえば成人式を迎えようとしている19、20歳の女性に振袖やドレスの広告を出したり、首都圏在住のAndroidスマホ利用者に東京都限定サービス用のAndroidアプリを宣伝するといったことができます。
このため、ターゲティングにCookieを利用した一般的なインターネット広告ではターゲティング精度が4、5割、よくて6割程度だといわれていますが、Facebook広告では精度が9割を超えることも少なくありません。
Facebookのターゲティング精度の高さとオフラインのデータを掛け合わせれば、さまざまなおもしろい施策も可能になります。「カスタムオーディエンス」という機能では、20カ月以上前にケータイを機種変更していて買い替えを考えていそうな顧客や、来月誕生日を迎える会員など、自社で持っている顧客データをFacebookのユーザーデータとマッチングさせてターゲットを設定できます。うまく利用すれば非常に効果的で、すでに多くのクライアントにご利用いただいています。一例としては、KDDIさんがauスマートパスのキャンペーンにカスタムオーディエンスを利用し、「au加入者だがスマートパスは利用していない」という人に絞ってリーチしたところ、通常広告と比較してコンバージョン率が2.5倍、顧客獲得単価は1/2以下という結果が出ています。
しかし、ターゲティングにつきまとうジレンマとして、ターゲットを絞れば絞るほど対象人数が減り、ビジネスインパクトが小さくなってしまうという問題があります。いかにして、ひとりひとりの共感を得ながら、より多くの人に語りかけるかというのは、広告の永遠のテーマだといえるでしょう。
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