駅近の好立地や耕作放棄地など様々 生産緑地現場ルポ

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東京23区の生産緑地“御三家”が練馬、世田谷、江戸川の3区だ。

この3区の生産緑地は、1992年以降、減り続けてきた。選別はされてきたが、それでも広大な緑地が残っている。駅至近の生産緑地は早い段階で現金化され、宅地となった。総じて、現存する生産緑地の多くは最寄り駅から徒歩10分以上、遠い地域だとバス便でも15分以上は離れた地域に点在しているといわれる。

不動産コンサルタントの長嶋修氏によれば、「最近の不動産の傾向として徒歩10分圏内では売れず、徒歩7分以内で探す人が増えている」という。だとすれば、駅から遠い場所にある生産緑地が市場に出回ったとしても、宅地としてそれほど魅力のあるものになるとは考えにくい。都心で、宅地の供給が急増するリスクはどれほどあるのだろうか。

練馬区にある大泉学園地区は「生産緑地銀座」とも呼ばれている。大泉学園の北西方面は鉄道の空白地であり、道幅も狭く、朝夕の通勤・通学時は渋滞がおなじみの光景となっている。みどりバスというコミュニティバスに乗り込み、大泉学園駅を出発し15分も揺られていると、緑のまぶしい畑がぽつりぽつりと目に入ってくる。

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