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生産緑地は、不動産市場を盛り上げる!? データ分析では意外な結果に

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2022年、生産緑地が放出されて宅地になることが地価にどのような影響を与えるかをシミュレーションした。

生産緑地が50%放出された場合、75%放出された場合を全国の市区町村を対象にして分析した。表は生産緑地の多い都市(関連記事『一目でわかる大都市圏生産緑地MAP』)から順番に推計結果を並べたものだ。

結果は意外にも、おしなべて上昇というものだった。さらに50%放出したケースよりも75%放出したケースのほうが地価の押し上げ効果がより高いと出た。

コストが上がって価格転嫁される?

どうしてこのような結果になったのか。不動産コンサルタントの牧野知弘氏はこう分析する。

「土地の仕入れ値や建築費の上昇などが、地価の上がる結果に反映されているのかもしれない。ただ、現実には供給側の決めた価格で必ずしも購入されるわけではない」

他方、本分析を行ったデータ分析コンサルタントの小谷祐一朗氏は、「生産緑地を放出したら需給バランスが崩れて地価が下がるという通説は、単純すぎるのかもしれない」と話す。

「生産緑地は戸建てや一棟などの住宅だけでなくほかの施設にも転用されうるので、こうしたマーケットの種類も考慮する必要がある。そうした種類ごとに供給増が需要よりも本当に大きくなるか、いつ顕在化するかという点について、データに基づいて議論をすることが大事だ」(小谷氏)

シミュレーション結果はあくまで可能性。実際にどうなるかは、5年後に証明される。

(注)国土交通省発表の2016年の地価データを被説明変数とし、各地価地点の属性、生産緑地の市区町村別決定面積および総務省統計局の15年国勢調査の市区町村別人口数を説明変数とした重回帰モデルを作成(修正済みR2乗は0.67、生産緑地の市区町村別決定面積の係数は99%有意で符号はマイナス)。得られたモデルを使用して、国立社会保障・人口問題研究所の市区町村別の推計人口から22年の人口を推計、生産緑地の決定面積の放出率を一律に設定し、シミュレーションを行った (出所)株式会社おたに作成の推計から本誌が生産緑地の多い地区を抜粋

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