2020年以降、都市部でも土地が供給過剰に
現在、東京の都心部は再開発ラッシュである。その規模は大型化し、これから10年くらいかけて700万平方メートル近くの大型オフィスが供給されると予想されている。
地方都市でも、その駅前には大型マンションなどの再開発が進められている所が少なくない。開発を通じて供給が増加すれば、人口減少と高齢化に伴う需要減と相乗効果を起こして、「アセットメルトダウン」、つまり資産価格の暴落をもたらすことになる。
人口減少・高齢化が進んでいるにもかかわらず、どうしてこのような開発ラッシュが起こってしまうのであろうか。
筆者が所属する米マサチューセッツ工科大学不動産研究センターでの研究では、世界の多くの都市で、成長の末期が近づくと自治体やデベロッパーが競って開発を進めようとする現象が確認されている。都市の成長の限界が近づいたとき、それを最後のチャンスとしてとらえ、合意形成に時間がかかっていたプロジェクトでも、大型開発を進めるという意思決定をしてしまいがちとなるのだ。そして開発が終了した段階では過剰供給となってしまい、不動産市場の暴落をさらに後押ししてしまうのである。
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