起業、派遣、NPO参加、顧問契約から副業まで。多様なシニア就労者6人に生涯現役でいる秘訣を聞いた。
シニア起業|ヤマハを早期退職して介護タクシー運転手に
橋詰登志夫さん(68歳)
「男が介護に参加できる仕事を作りたかった」
「サラリーマンは何かあったとき、すぐ病院に行けない」。父が脳梗塞で倒れ要介護となったとき、当時50歳手前の橋詰登志夫さん(68)はそう思った。ヤマハでホールやスタジオの設備施工を担当し、朝6時に家を出て終電で帰る毎日。それまでは「辞めるなど考えたこともなかった」。
身内の介護は女性が主軸。男が何かできないか思案していると、雑誌で介護タクシーという職業を見つけた。ホームヘルパー2級を取得し、55歳で早期退職を決断する。「会社からは半年慰留された」。
それからが苦労の連続だ。何も知らない家族に「明日で会社を辞めるよ」と告げると、「何を言っているかわからない」と妻は激怒。一時は絶縁状態に陥った。
2005年4月に「むさしの介護タクシー」(現むさしのケアキャブ)を創業。多摩地区全体で2台ぐらいしか車両登録がない時代。介護保険の適用もなく、病院を回っても怪しい業者扱いをされる始末。「1年ぐらい利益が出なかった」。
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