バブル期(1988〜92年)に大量入社した世代が2016年から50歳を迎え始めているが、その中には大勢の男性の間で奮闘し、課長を経て部長にまで昇進した女性たちもいる。ビジネス環境が目まぐるしく変化する中での今後のキャリアや定年後に対する不安は男性と共通する部分も多いが、女性ゆえの苦難も待ち受けている。
その1つが役員への昇進だ。安倍晋三政権は女性活躍推進策として女性役員の登用を掲げている。だが「女性管理職比率は20%近くに達し、部長や部門長になっている女性もいるが、役員になりたいという人がいない。役員はいろんな意味で大変だという思いがある」(製薬企業の人事部長)という声もある。何やら管理職になりたくない若手の女性にも似ているが、役員昇進に関しては特殊な軋轢が生じると語るのは建設関連企業の人事部長だ。
「トップの推薦で当社初の生え抜き女性役員が誕生した。もちろん仕事はできるし、部下の指導などマネジメント能力もあり、人事部としても役員として申し分のない女性だ。ところが役員に就任した途端に『彼女は社長のお気に入り。裏に何かあるのでは』と変なうわさが幹部の間で流れた。根も葉もないうわさだが、社長の一本釣りというだけで彼女はいわれのないプレッシャーを受ける羽目になった」
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