GG佐藤、4度のクビを味わった男の再出発 “波乱万丈以上"の野球人生からビジネスの世界へ
実は今年7月、GGは『妄想のすすめ 夢をつかみとるための法則48』(ミライカナイ)という本を上梓した。今思えば、あの時すでにクビを覚悟し、新たな船出をする決意をしていたのではないか。そう感じさせる記述が、あとがきの一節にある。
「僕はいま、二軍暮らしをしています。これから一軍に上がってチームに貢献できるかもしれませんが、逆に、近い将来、ユニフォームを脱ぐことになるかもしれません。だけど、僕の人生はまだまだこれからです。野球でも、野球以外でも叶えたい夢が山ほどあります。だからこそ、僕はこれからも、妄想し続けたいと思います」
決して野球エリートではなかった。でもプロ野球選手として活躍できた。北京五輪に出場した。でも世紀の大失敗をしてしまった。
イメージする力だけは人一倍
ナポレオン・ヒルの世界的名著“思考は現実化する”ではないが、良くも悪くも妄想力=イメージする力だけは人一倍強いとGGは自認している。
自分のミスでメダルなしのまま、五輪の正式種目から外れてしまった野球。野球後進国イタリアで出会った視覚障害者のための野球、ブラインド・ベースボール。この2つをオリンピックとパラリンピックで正式種目にする。そんな妄想を4年前から抱き、地道な活動も行っている。
ビジネスマンとしてももちろん、大いなる夢を抱いている。そしてその先に見据える、ビジネスの世界を超越した妄想とは…。
「それはまだ言えません(笑)。でも10年後、いや5年後を見ていてください」
野球界でも幾多のドン底を味わい、それでも諦めずに自己実現してきた男だけに、何かをしでかしてくれるのではないか。そんなほのかな期待を抱かずにはいられない。
「もう本当に実現したい妄想がたくさんありすぎて、とにかく時間がいくらあっても足りないんですよ。じゃ、また次の営業があるんで!」
コートの襟を立て、意気揚々と踵を返したGG。地下鉄の階段を颯爽と降りて行った彼は、野球とは違う新たな舞台で、いつの日かまた現役時代のヒーローインタビューでパフォーマンスしていたように、「キモティーーーッ!」と叫んでいるに違いない。
(敬称略、文:津川 晋一)
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