KDDI、NTTグループ共闘に最後の「待った」 総務省が光回線・携帯のセット販売承認

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意見の申出は電気通信事業法172条に規定があり、第2項で「総務大臣は、前項の申出があったときは、これを誠実に処理し、処理の結果を申出者に通知しなければならない」としている。KDDIは総務省に対して、ドコモの営業活動が始まる前の回答を求めた。

KDDIは自社の光回線やケーブルテレビ各社と連携し、固定回線と携帯電話のセット割引を武器に顧客獲得を進めている。光コラボについては「NTTによる独占回帰、健全な設備競争が失われる」(田中孝司社長)と猛反発。NTTは回線の卸価格を公表しない姿勢を貫いていることから、ドコモだけを優遇して取引するのではないかといった懸念もつねづね主張してきた。

 3月商戦に間に合うか

今回、ドコモのセット割引自体には反対していないが、総務省に対して、答申に基づいたルール作りが行われるよう念押しした形と言えるだろう。KDDI渉外部の岸田隆司氏は「ルール作りが行われる前にNTTグループによる見切り発車があってはならない。待ったをかける意味合い」と説明する。

光コラボは当初、14年12月にサービスを開始する予定だったが、特別部会の議論に時間を割いたことや、NTT東西の準備、衆議院解散などが影響し、スケジュールは遅れている。NTTの鵜浦博夫社長は「2月にサービスを開始できる体制を整えたい」としており、ドコモと同様、もっとも販売数が積み上がる3月の期末商戦に間に合わせたい考えだ。

だが、今回の意見申出書を基に、ガイドライン作りやパブリックコメントの募集など、一連の手続きが長引けばサービス開始が2月からずれ込む可能性もある。総務省はKDDIから受けたボールをどう投げ返すのだろうか。

田邉 佳介 東洋経済 記者

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たなべ けいすけ / Keisuke Tanabe

2007年入社。流通業界や株式投資雑誌の編集部、モバイル、ネット、メディア、観光・ホテル、食品担当を経て、現在は物流や音楽業界を取材。

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