eコマースの巨人に日本企業が翻弄されている。物流、出版、小売り…。あらゆる業界がアマゾンの次の一手を注視している。膨張はどこまで続くのか。日本と米国で戦略の全貌を追った。
巨人果てしなき拡大
日本上陸から17年目。アマゾンの膨張が止まらない。2016年12月期、日本での売上高は約1.2兆円に達し、年2割ペースの増収を続けている。年1割前後で伸びている日本のeコマース市場を上回る驚異的な速度で成長し、今や同業を寄せ付けない圧倒的強さを誇る。
成長につれ、会社の規模も大きく拡大している。アマゾン ジャパンの社員は4400人(16年末)と1年間で900人増えた。ジャスパー・チャン社長は「われわれの注力領域は(物販の)eコマース、デジタルコンテンツ、クラウドサービスの三つ。まだまだ人が足りない。リーダーとなれる人を求めている」と語る(→関連記事へ)。
社員の待遇は破格だ。あるアマゾン関係者は「部長職で年収1800万~2600万円もらえる。30歳代後半から40歳代後半の人が対象で、かなり高い水準だ」と話す。求人への応募も殺到しているようで「ソニーやP&Gからの転職者が多い。戦略立案の部隊には外資系コンサルティング会社の出身者が多数いる」(別のアマゾン関係者)といわれる。
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