「オムニチャネルがきちんとできれば、小売業として日本でトップ、世界でも何番目という形で成長していくと思う」
昨年5月、セブン&アイ・ホールディングスの経営を長年担ってきた鈴木敏文会長(現・名誉顧問)は、最後の株主総会の場でそう述べた。あれから1年。セブン&アイのオムニ戦略は出口のない迷路をさまよい続けている。
「リアル店舗とネット通販の融合」をうたい文句に、グループの通販サイトを結集し、「omni7(オムニセブン)」を立ち上げたのは2015年11月。同時に、18年度に売上高1兆円という目標をブチ上げた。事業を統括していた鈴木敏文氏の二男・康弘氏(16年末で辞任)は「今さらアマゾンのようなことをするつもりはない。当社のベースはセブン‐イレブンに代表されるリアルの小売業。全国1万8000店、40万人の販売員(当時)を媒介としてネットとつながる」と語っていた。だが16年度のオムニセブンの売上高は976億円にとどまる。
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