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消費財編/攻めるデータ戦略で髪色サプリが快走 マーケティング王国の裏側

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花 王

染め上がりはよかったのに、1週間も経つとすぐ黄色くなってしまう。髪を染めたことがある人なら誰でも感じたことがあるだろう。この悩みを解決できる夢の商品を、花王が今年3月、インターネット限定で発売した。その名も「髪色サプリ」。黄色の反対色である青色系の染料を配合した染毛料で、週1〜2回使うと黄味が抑えられる。出足は上々で、某大手通販サイトでは美容・コスメ・香水ランキングで一時トップを獲得した。

髪色サプリのサイトと商品。データ部門と販売部門による緻密な計算が奏功した

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消費者の購買行動を膨大な図式に

好調の背景には、花王のデータ部門(デジタルマーケティングセンター〈以下DMC〉データサイエンス室)と、販売部門(販売会社である花王グループカスタマーマーケティングのチェーンストア部門 Eコマース部)の緻密な計算がある。

まず、データ部門が髪染めをしている人たちの声を集めて分析した。すると、髪色が黄ばむにつれユーザーの気分は「我慢限界値」まで低下。さらに落ち込んだ後、ようやく次のカラーリングをする、という繰り返しであることが明らかになった。「髪色サプリを使うことでストレスを減らし、最終的には髪を染める間隔も長くしたい」(DMCデータサイエンス室の白石光弘氏)という価値提案の方向性がクリアになった。

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