業績が好転してきたソニー。欧州地域ではデータを活用したマーケティングで大きく成功した。その中心にいたのが、現在ソニーマーケティング グローバルセールス&マーケティングオフィサーの玉川勝氏である。
──2012年7月から3年半のソニーヨーロッパ社長時代に、欧州での事業を黒字化しました。
社員で共有するミッションを、シンプルに「黒字化」「シェア復活」と定めた。実現のための課題は、生産性、利益率、そして売り上げをいかに上げるかだ。テレビを例にとると売上台数を12年度の2.5倍以上にしないと黒字化は難しかった。成長の余地がどこにあるかをデータで明らかにし、計画を立てて実行していった。
──具体的には?
画面サイズごとの年間の販売台数・シェア、さらにそのサイズにおける価格区分ごとの販売台数・シェアなどを数値化した。これで、強化の必要な部分が見えてきた。前年度までの実績も参考に、次年度では各月で何%のシェアを目指せるか機種ごとに検討し、数値を積み上げていった。こうして台数・シェアなどの目標を定めた。
各国の家電量販企業ごとに、ソニー製テレビが置かれているのは何店舗かといった販売状況も調べた。1店舗当たりの販売台数は他社製品とあまり変わらなかったので、商品力でなく製品の行き渡らせ方が不足しているのだと見えてきた。販売店舗数の増強など、具体的目標を立てた。
仕事の9割は数字で語れる
──計画をどう実行しましたか。
量販企業には、販売店舗数増などの希望を理由とともに説明し、交渉した。たいていうまくいくが、店に置かれ客に実際に販売されるまで安心はできない。売り場強化のプロジェクトを立ち上げ、各国20〜30店を巡回し、週次単位の販売データなどと照らし合わせて現場の改善点を出していった。たとえば、他社製品が並んでいて購入の検討がしやすい売り場とは別の所にソニーのショップ・イン・ショップがあって孤立していることに気づき、置き場の改善を図った。
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