「ライバル社の商品から自社の商品に乗り換えさせるにはどうすればいいか?」。会社の上司からそう問われたときに、あなたはどのような方法を考えるだろうか。
ライバル社の商品よりも値段を下げてみる? 店頭で目立つ所に置いてもらう? 大々的にコマーシャルを流す? いくつか方法は浮かぶだろう。だが、その方法が有効だという根拠はあるだろうか。
顧客の特徴を知る
以前に成功した施策でも、今回もうまくいくとは限らない。また、ライバル社がすぐにまねできるような安易な方法では、一度乗り換えに成功したとしても、すぐに奪い返されてしまうだろう。
本当に有効な方法を考えるには、「ライバル商品の顧客はどのような人なのか」を知ることが重要だ。それではどうやって知るか。たとえば、顧客を知るための情報として代表的なものには、ポイントカードなどから取得されるID-POSと呼ばれるデータがある。
性別や年齢のような静的情報や、対象商品以外にどのような商品を多く購入しているのかといった動的情報を把握できる。このID-POSを基に顧客を知る手段の1つとしては、「決定木」という手法がある。
決定木とは、「ある事象が発生する確率」に対して、最も影響する要因は何かということを順番に深掘りしていく分析手法であり、樹木状の図で表される。マーケティング以外にもさまざまな分野で活用できる。
あるビール会社のマーケティング事例に基づき、決定木を使って何ができるかを解説しよう。
ここでは競合他社の人気商品「Xビール」の購入という事象に対し、影響する要因を分析している。ビール購入者全体で「Xビール」を選択する確率は18%である。最も影響するのは「酒の購入回数」だ。愛飲家に好まれているのか、月に「5回以上」だと選択する確率は28%と高くなり、「4回以下」だと15%となる。
次に、酒の購入回数が5回以上の場合は、年齢が「60歳以上」だと52%と高くなる。4回以下の場合でも「鮮魚の購入回数」が月に「8回以上」だと41%と高い。
もし、あなたが別のビールメーカーの営業員だったら、と想像してみよう。このような特徴を持った「Xビール」の顧客に、自社のビールを売り込み、乗り換えてもらうためにどんな方法を考えるだろうか。

CMの効果も大きくなる
酒の購入回数が多いほど「Xビール」を選択する率は高くなるため、「酒の購入回数に応じて、自社ビールのクーポン券を進呈する」という提案はどうだろう。さらに「シニアはポイント2倍」としてもいいのではないか。酒の購入回数が少なくても、鮮魚の購入回数が多いと「Xビール」を選択する率は高いため、「魚をつまみに、自社のビールを飲むCMを流す」というのも効果的だろう。
決定木分析を使うことによって、具体的な顧客像を描くことができる。それは根拠を持ったプランの検討が可能になるということである。このような分析手法を使わず、根拠のない方法で満足していると、逆にあなたの会社の商品はライバル社の商品に乗り換えられてしまうだろう。






















無料会員登録はこちら
ログインはこちら