【産業天気図・百貨店】足元は客足に明るさ、新年は新店も。だが業態衰退のトレンド続き「曇り」の景況感
10年10月~11年3月 | 11年4月~9月 |
百貨店業界の景況感は、2011年9月まで終始「曇り」止まりだろう。足元では売上高がプラスに転じるなどしているが、ネット通販など小売業界の多様化が進む中、百貨店の「業態衰退傾向」は決して打ち消されてはいない。
10年10月の百貨店売上高が対前年同月比0・6%増と、08年2月以来実に2年8カ月ぶりにプラスとなった。
「ずっと暑い夏だと思ったら、秋を通りこして一気に冬が到来した感じ」(複数の業界関係者)。コートなど重衣料の初動が早かったことが牽引し、久々の「仄明かり」が見えた形だ。
しかし、その勢いも続かなかった。11月は0.5%減と再びマイナスに。全国百貨店協会によると、前年に比べ日曜日が1日少なかったことや、北日本の天候が不順(気温が高かった)ことなどが影響したと見ている。
それでも分野でみると良い兆しも見えている。婦人服・洋品は0.3%増、化粧品も1.4%増となった。その他家庭用品、菓子が2か月連続のプラス、家電が5か月ぶり
のプラス、化粧品も24か月ぶりにプラスだった。リーマンショック後、いいところのなかった09年~10年前半からみればずいぶんな改善である。