有料会員限定

銀行が消費者ローン拡大を牽引 積極姿勢に問われる節度

✎ 1〜 ✎ 9 ✎ 10 ✎ 11 ✎ 最新
拡大
縮小

特集「大再編、金融庁、フィンテック」の他の記事を読む

2010年に改正貸金業法が全面施行された後に進んだ消費者金融会社の淘汰。それを尻目に13年度から2ケタ成長したのが、無担保で使い道が自由な銀行カードローンだ。10年に全体の3割に満たなかったが今や過半を占める。

だが、こうした状況に金融庁幹部はいらだちをあらわにする。「今の銀行のやり方はすごく疑問だ」と。

銀行ブランド強し、幅広い顧客層

人気タレントを起用したテレビCMでメガバンクのカードローンが目立つ。そして、ここ数年は地銀のカードローンこそが成長を牽引している。背景にあるのは、日本銀行の超低金利政策を受けた銀行の資金運用難だ。

国債など有価証券の運用利息や企業向け貸し出しは年1%前後と過去最低の利回り水準を余儀なくされ、10%程度の金利を取れるカードローンはまれに見る好採算商品の一つ。今では、相続税対策などで拡大する賃貸用アパート向けローンと並び、カードローンが地銀の数少ない成長分野になっている。 

ある地銀の担当者は「『サラ金』のイメージが残る消費者金融と違い、銀行なら抵抗感が少ない。顧客層も消費者金融が20〜30歳代なのに対し、銀行カードローンは若者からシニアまで満遍なく浸透している」と解説する。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
大再編、金融庁、フィンテック
民間銀行が中抜きにされる
野口悠紀雄氏に聞くデジタル通貨の衝撃
中国の銀行業界が身構える
協業関係が一目でわかる!
ソフトバンクと二人三脚
住信SBIネット銀行 円山法昭社長に聞く
▶▶第Ⅲ章 敵か味方かフィンテック
見えざる序列で行われるOB人事
金融庁がにらみを利かす
積極姿勢に問われる節度
事業性評価、ベンチマーク…
元銀行マンのファンドトップに聞く
▶▶第Ⅱ章 迫り来る金融庁
銀行版・生涯給料ランキング
上位と下位で2倍の格差
キーマンに聞く「地銀の活路」1
キーマンに聞く「地銀の活路」3
キーマンに聞く「地銀の活路」2
キーマンに聞く「地銀の活路」4
トップも朝から取引先回り
「信用を失うことはしない」
「メガ地銀」誕生に公取の難関
マイナス金利継続ならどうなる?
非常識がまかり通る世界
▶▶第Ⅰ章 吹き荒れる大再編
大再編、金融庁、フィンテック
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内