NPO法人POSSE代表 今野晴貴
キャリアという視点から情報収集が特に重要となるのが、就職活動の時期だ。入社後に違法なサービス残業で社員を酷使する“ブラック企業”が社会問題化している。就職ランキング上位の企業でも、新入女性社員が過労自殺した電通のように、実は労働面に問題を抱えていることがある。就職後に「こんなはずではなかった」と後悔しないために、どうブラック企業を見極めればいいのか。年間約1000件以上の労働相談に応じるNPO法人POSSEの今野晴貴代表に聞いた。
Q1.ブラック企業とは何者なのか
ブラック企業とは狭義には、若者を大量に採用し、マニュアル化された単純労働や違法なサービス残業を強要して使い潰し、次々と離職に追い込む企業と定義できます。外食や小売り、介護、保育、IT、不動産といった業界の新興企業に多く、2010年代に入って問題が深刻化しています。こうした企業ではいくら働いてもスキルが身に付かず、中長期的なキャリアアップにもつながりません。
狭義のブラック企業では、就活の際に目にする求人票に実態が書かれていない「求人詐欺」が横行しています。たとえば求人票に「月給30万円」と書かれていても、実際は「基本給15万円」に、「残業代15万円」を足した金額であり、実際の時給は最低賃金以下であるケースが散見されます。休日にも「ボランティア」という名目で、無給労働を課す企業も目立ちます。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら