新聞、テレビ、インターネットなどで医療記事や医療番組を見ない日はない。特に芸能人ががん闘病を公表した後などには、さまざまな関連情報が「量産」される。それだけ医療は多くの人に読まれる「キラーコンテンツ」なのだろう。
だが、20年近くにわたり医療現場を取材してきた筆者から見ると、まゆをひそめるような内容も多いのが実情だ。鵜呑みにすると不適切な医療を受けることにつながり、かえって健康を損ないかねない。医療情報の信頼性をどこで見極めればいいのか、ポイントをまとめてみた。
新聞の医療記事は「事なかれ主義」の傾向
まず知っておくと役立つのが、各メディアの医療情報に、それぞれ特徴があるということだ。
医療情報で最もスタンダードなのが新聞だろう。新聞は「確かな情報」を伝えることを重視しているように思われる。そのため医療記事についても、冒険せず、医学界の主流派の意見に依拠することが多い。
ただし、部数減少で経営の屋台骨が揺らいでいるせいか、新聞は昔より関係先や広告主からのクレームに弱くなっている。本来は権力に対する目と同様に、医療にも厳しい監視の目を向けるべきだが、筆者から見ると医学界や薬などの評価には甘い傾向がある。なので新聞の医療記事の特徴として、「事なかれ主義」で書かれていると認識する必要がある。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら