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ヘイトに走る「自称愛国者」は情報弱者だ ネットでググっただけの「真実」振りかざす

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2013年に東京都内で実施されたヘイトデモの風景

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在日コリアンを中傷するビラは、トイレの壁に張られていた。6月中旬のことだ。福岡市の繁華街・天神にあるデパートやバスターミナルの男性トイレ個室で「在日コリアンの社会迷惑(原文ママ)」「日本人をだますコリアン政治家」と題したビラが相次いで見つかった。

内容は、在日コリアンが日本の治安を乱し政界や経済界を牛耳っているというもの。事実無根のデマで憎悪をあおる典型的なヘイトビラだ。

各ビルの施設管理者からの通報で福岡県警が捜査に着手。6月30日、市内に住む64歳の元学習塾経営者男性が建造物侵入容疑で逮捕された。ヘイトスピーチ解消法の成立直後というタイミングであり、「通常なら起訴猶予が相場の軽微な犯罪にもかかわらず、検察は起訴に持ち込んだ。新法成立を意識したことは地検も認めている」(地元記者)。

右上のビラのように、大まじめに「在日特権」を糾弾するが、その情報源はインターネットだ

裁判において、男性はビラ作成のきっかけを「行きつけの居酒屋で、芸能界では多数の在日コリアンが活動していると聞いたこと」だと話した。興味を持ちインターネットで検索したところ、「芸能界どころか多くの企業が在日コリアンの影響下にあることを知った。政界を支配しているのも在日コリアンで、多くの事件や暴力団組織にも、在日コリアンがかかわっていることを知った」と、さまざまな“情報”を得たのだという。

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