新卒一括採用に対する批判が根強い。その最たるものが、「日本では正社員になるチャンスは新卒時点の1回きり。それを逃せば、一生非正規」というものだ。つまり若年者が再チャレンジできない、というのが批判のキモだ。
確かに、大手企業の採用が新卒に偏りすぎているのは事実だが、どんな企業であれ新卒でなければ正社員になれない、というのは誤りだ。
図表1は、卒業後無業だった15~24歳の若者(既卒未就業者)が、「一般労働者」として採用された数値を示している(「雇用動向調査」)。既卒未就業者は、多い年には1年で15万人、少ない年でも4万人が、新たに一般労働者として職を得ている。一般労働者にはパートとアルバイトは含まれていないが、契約社員は含まれる。だがこの世代の契約社員の比率は1%に満たず、一般労働者=正社員と見ることができる。
ちなみに新卒採用者は、中学・高校・短大・専門・大学を合わせて70万人程度。その規模には及ばないが、毎年10万人近くの既卒未就業者が新たに正社員になっているという数は決して小さくはないだろう。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら