メディアでもたびたび取り上げられる働き方の問題。いったいどこに原因が? その対策を考えるには日本型雇用慣行との密接な関係を読み解くことが重要だ。代表的な5つの問題を見る。
長時間労働
職務範囲が不明だから際限なし
日本型慣行のさまざまな要素が長時間労働と密接に絡み合っている。
正社員は全員、職務無限定の経営幹部候補である(建前としてはそうなっている)ため、昇進を気にして「長時間残業競争」に陥りがちだ。高い年功賃金を得る中高年社員は、その給料に見合った過大な成果や職責を求められ、自分の立場を正当化するために長時間残業することもある。
また、自分の仕事と他人の仕事の区別がなく、休んだ同僚や仕事のできない同僚の職務を肩代わりするなんてことは誰でも経験があるはず。仕事に慣れて能率が上がったら、その分上司から仕事を増やされ、結局、帰宅はいつも深夜という人もいるだろう。
職務が無限定であることから、経営側の残業命令は配置転換と同様に正当化されやすく、拘束力が強い。これを利用して、正社員数を不況時の生産活動水準に合わせ、好況時にも社員を増やさず残業増で対応する日本企業が多い。
女性の働きにくさ
メンバーシップ型は女性に過酷
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