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すべての問題の根っこは日本型雇用慣行にあった! PART1 大解剖! ニッポンの働き方
「職務無限定」こそが特徴

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「雇用規制は岩盤規制」。そんなフレーズをよく聞く。でも変えるとするなら、どこをどうすれば? 雇用と労働をめぐる疑問を一挙に解決。

(本誌:長谷川 隆、野村明弘)

PART1 大解剖! ニッポンの働き方

雇用慣行の再考によって雇用問題の真相に迫る。

「職務無限定」こそが特徴
すべての問題の根っこは日本型雇用慣行にあった!

「残業を減らし、子育ての時間を確保したい」。長時間労働の是正など自分の働き方を見直したいというビジネスパーソンの機運は衰える気配を見せない。折しも国会では、労働時間規制の適用除外などの改正法案が審議入りする。世を挙げての働き方改革が加速しそうだ。

しかし、ここに大きな落とし穴が待ち受ける。日本の雇用慣行を十分に認識しないまま安易に欧米流の手法を導入しようとすると、かつての成果主義ブームのように手痛いしっぺ返しを食らうからだ。ボタンの掛け違いは、「われわれは日本型雇用システムを知っている」と思い込んでいるところから始まっている。

問題解決へ近づくには新定義が必要だ

1958年公刊のジェームズ・アベグレンの名著『日本の経営』は終身雇用、年功序列、企業別労働組合を日本的経営の「三種の神器」とする考え方を広めた。

しかし三種の神器は、日本型雇用システムの生み出す「帰結」であって、その「根源」ではない。三種の神器を根源ととらえてしまうと、終身雇用や年功序列をなくせば、日本型雇用システムの問題は解決すると考えることになる。「欧米のように解雇を容易にすれば、日本企業はうまくいく」というたぐいはその典型だ。

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