有料会員限定

電機業界に見る 人事改革のうねり 役割給とグローバル対応

✎ 1〜 ✎ 7 ✎ 8 ✎ 9 ✎ 最新
拡大
縮小

1990年代に日本企業に持ち込まれた成果主義は、10年もしないうちにその限界を露呈した。代わりに注目を集めたのが役割主義・役割給だ。日本製造業の代表ともいえる電機各社もそうだ。

三菱電機は2004年、従来の「資格・職階(職能)制度」から、役割に対する成果に応じて処遇する「役割・職務価値制度」に転換した。

新たな制度の導入に当たっては成果主義を取り入れつつも、成果一辺倒になることを避け、役割・職務価値の観点を重視した。30歳までは定期昇給を残したが、それ以上の年齢では廃止した。

当時、人事部員として制度設計に携わった大隈信幸・常務執行役取締役(人事部長)は、「人事評価をデジタルな数字だけで見ることへの違和感があった。仕事は個人でなくチームで成し遂げるものだが、その風土が毀損されるのではないかと考えた」と振り返る。

04年の制度改正において、賃金は、等級別の役割給に一本化、役割とその成果によって決まるようにした。31歳以上の賃金カーブは、年齢・勤続年数に関係なく、役割・成果による格差を従来より広げた。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【逆転合格の作法】「日本一生徒の多い社会科講師」が語る、東大受験突破の根底条件
【逆転合格の作法】「日本一生徒の多い社会科講師」が語る、東大受験突破の根底条件
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
日本型雇用システム大解剖
有給休暇取得日数 残業時間
ドキュメント物流業界 ネット通販活況の陰で
まず改革してみる
ホワイトカラー・エグゼンプションを考える
PART3 大論争! ニッポンの労働時間
転職希望者・就活生は必見! タブーなしでメッタ斬り
グローバルな報酬水準はこうなっている!
役割給とグローバル対応
ブラック企業の特徴は、
海外のジョブ型雇用慣行
PART2 大揺れ! ニッポンの賃金制度
正社員と労組は
「新卒一括採用=悪玉論」のウソと本当
日本型雇用慣行がよくわかる
気鋭の経済学者が問う
バブル世代のリストラ予備軍は必読
職務単位の雇用契約が海外の特徴
テーマ別 働き方の大問題
だから雇用問題はこじれる
PART1 大解剖! ニッポンの働き方「職務無限定」こそが特徴
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内